出店を計画しているのは札幌市に本社を置く「ニトリ」(似鳥昭雄社長)。家具や寝具、生活雑貨なども販売し、全国と海外で合わせて200店舗以上を展開する。
大規模小売店舗立地法による「縦覧届出書」などによると、ニトリ田辺店(仮称)の開店予定日は10月26日。予定地は国道42号沿いの田鶴交差点北約1キロ付近の回転ずし店の隣で、6月上旬に着工し、10月下旬に完成の予定。店舗は鉄骨2階建てで、店舗面積は1階1676平方メートル、2階1763平方メートルの計3439平方メートル。71台分の駐車場を設けるという。
大型店の進出に、市内の家具店は「以前から出店を心配していた。間違いなく大きな影響があり、最終的には田辺市の家具店は軒並みつぶれてしまう可能性がある。値段も接客も決して負けていないので、一生懸命頑張るしかない」と話す。
市内のインテリアショップは「他の地域でも、同業者が影響を受けたという話を聞くので心配している。以前から田辺進出の話は聞いていたので、それを見越して来店しやすい雰囲気づくりを心掛けて対応しているが、これ以上新たな対策は考えられない」と困っている。
国道42号沿いにはほかにも近年、有名チェーン店が多く開店しており、影響を受けている既存店もあるという。外食産業では、中華料理店や牛丼店、回転ずし店が複数ある。そのほか、衣料品店や子ども用品店、大型電器店などもある。
田辺市商店街振興組合連合会の谷峯正美理事長(71)は「これまでのチェーン店の相次ぐ出店で、田辺市や周辺の零細店ではすでに相当な影響が出ている」と話している